戦争のない世界平和へ! 平和憲法を生かし、憲法九条改悪に反対する署名運動京都実行委員会

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守ろう憲法九条 2.18交流会 改憲論の泣きどころ

護憲論の泣きどころ=改憲論の泣きどころ
  
                               弁護士 岩佐英夫

*広大な宇宙の中でかけがえのない美しい惑星・地球。地球環境を守れ!に誰もが異存ありません。
*その地球の191ケ国の中で、軍隊を持たないことを明記した、たったひとつの日本国憲法。これは、戦争をなくしたいという人類の悲願を遂に実現したものです。2度にわたる大戦の後、ようやく戦争を違法と宣言した国連憲章をさらに大きく前進させて、戦争放棄のみならず戦力と交戦権をも放棄した世界でたったひとつの憲法が日本国憲法なのです。これこそ21世紀の人類の針路を示す羅針盤です。これを私たちが捨ててしまったら、多分100年たっても9条のような憲法は生れないでしょう。この大切な平和憲法・人類の宝を失ってしまっていいのでしょうか?

真実を広めることこそ、改憲論の最大の泣きどころ◆

 護憲論の“泣きどころ”は、改憲論者やマスコミによって流される意図的なキャンペーンに過ぎません。ですから、このヴェールを剥ぎ取って、真実を暴き出したとき、それは改憲論の“泣きどころ”に転化するのです。
いま9条を変えろと迫っている最大の震源地はアメリカです。私は、9条を守りきることは、日本とアメリカとの関係、日本とアジアとの関係を根本的に変えるという世界的な意義をもつ“わくわくする”素晴らしい歴史的な快挙だと思います。誇り高く進みましょう。

【「毎日」05年10月5日世論調査等】をどう見るか

1、憲法9条そのものについては、改憲反対62%、賛成30%となっています。
そして9条が戦後日本の平和維持に役に立ってきたかの問いに対しては、“かなり”32%、“ある程度”48%と合計80%が肯定的に評価しています。
しかし、憲法全体について改憲の是非を質問した場合には、「改正」必要が58%にもなります。しかも、9条が日本の平和維持に「かなり役立った」と回答した人の47%が憲法改正に賛成しています。

2、この事実を直視し、その内容を分析する必要があります。「毎日」の改憲賛成派と回答した人の理由を尋ねると、“今の憲法が時代に合っていない”56%、“一度も改正されていないから”18%、合計74%にもなります。
また、護憲派にとって一見ささいに見える“わかりやすい日本語に”という回答が43%もあります。自民党改憲草案は、例えば“かな使い”を現代かなづかいに直す等、こうした「世論」にも周到に配慮していることに私たちは注意すべきです。

3、自衛隊と憲法との関係:「自衛軍」と憲法に明記することの意味→必然的に9条2項を削除
 これまでの政府見解では、「戦力」の保持を禁止した憲法9条2項があるから自衛のため以外には武力行使ができないとしています。従って「自衛隊」ではなく「自衛軍」(「軍」はまさに政府のいう「戦力」です)と憲法に明記することは、政府見解からいっても9条2項と両立できないことは明らかです。
*自衛隊と9条に関する「朝日」の質問に対して、「“自衛隊は今のままでよい”が、憲法に明記すべし」58%、自衛隊でなく「普通の軍隊」とするために改憲すべし12%、合計70%にもなります。
“自衛隊は今のままでよい”の意味は、“人道復興支援”はよいが、海外で武力行使はしないという意味です。「普通の軍隊」は、まさに海外でも武力行使する軍隊という意味です。

4、「国際貢献」論との関係では、NHKの050123の報道スペシャル番組での、国際貢献と自衛隊の関係についての質問に対して、“PKO・人道的支援”には64%もの支持があることに注意すべきです。他方で、(後方支援)6%+(武力行使を含めた協力)4%=10%しかない事実があります。
つまり、多くの国民は、自衛隊の海外での武力行使を支持しておらず、「国際貢献」は必要ということで善意で支持しているにすぎず、このために9条改憲が必要という議論に騙されているに過ぎません。この誤解をときほぐすことが“北朝鮮脅威論”と並んで最も重要な課題です。

◆靖国神社問題:問われる歴史認識◆
 憲法9条は、日本が2000万人ものアジアの人々を殺した第2次世界大戦の痛切な反省・歴史認識から生まれました。従って平和憲法9条に基づく外交こそ、孤立から抜け出しアジアと平和的に共生できる道です。ですから、憲法9条を擁護発展させることは、私たち自身も深い歴史認識に立つことを要求しています。
 ところが、小泉外交は、この歴史認識を意図的に欠如させて靖国神社参拝を繰り返し、アジアのみならず、アメリカを含む世界から孤立を招き、財界からさえ憂慮の声があがっています。
 他方、05年、40日間にわたる「銃口」(三浦綾子さん原作)韓国公演で韓国の人々の感動と共感が静かに広まっています。民衆の交流こそ、アジアとの共生への道なのです。

◆改憲草案「前文」に盛り込まれた“新自由主義”(構造改革)との矛盾◆ 
 “9条ではメシが食えない?”“私たちの生活と9条は関係ない!”との声にどう答えるかも重要です。「構造改革」の犠牲者が「小泉改革・郵政民営化」を支持する現象が生じています。
改憲草案前文には、「愛国心」のおしつけを入れ、そのすぐ後に、「自由かつ公正で活力ある社会の発展」(新自由主義の思想)を入れました。
 小泉「構造改革」は、自営業者と給与所得者、正規社員と非正規雇用労働者、反公務員意識など、さまざまな国民分断の策略をめぐらしてきました。どうやって国民の生存と生活を守るのか、格差社会の拡大を真正面から批判し、9条改悪と25条攻撃、福祉攻撃・大増税・“新自由主義”(構造改革)とは一体であることを明らかにすることが重要です。12条13条の「公共の福祉」を「公益及び公の秩序」に変更することは、9条改悪とセットです。改憲派にとって「公益」の最たるものは軍事的価値です。生存権など基本的人権より「公益及び公の秩序」が優先するのです。いまでも、日本は年間3万人の自殺があり、“規制緩和”で月収5万円のタクシー労働者があふれているという異常な国です。格差拡大社会問題は、マスコミも取上げ始めています。自民党員がこの1年で18万人減少し、「構造改革の影響を受けた団体が集団でやめている。自民党が改革をやっている証拠ではあるが‥‥」と自民党の組織本部長が弁解しています(06.02.18「毎日」)。
9条改憲の方向では、防衛費が増強され福祉の予算は削られる一方です。アメリカの「対テロ戦争」経費は、これまでで3200億ドル(37兆4400億円)、ベトナム戦争のコスト5800億ドル(67兆8600億円)です(1ドル117円換算)。・日本の軍事予算の総歳出に占める割合は、1897(m30)年で55.06%)、1941(s16)年で40.60%にも達しています。

◆北朝鮮脅威論:改憲論のもうひとつの大きな口実は“もし、攻められたら”です。◆
しかし、「見通し得る将来、わが国に対する本格的な侵略事態生起の可能性は低下していると判断される」と05年版「防衛白書」は述べています。久間元防衛庁長官も「北朝鮮が先に攻めてきたり、侵略してくることは現実にはないと思う」と述べています(03年6月30日付朝日新聞)。昨年10月の米軍再編「中間報告」の際の大野功前防衛庁長官の「今回の協議は日米同盟の変革に向けた歴史的プロセス(過程)だ」「これまでの日米同盟は、日本を守っていこうというものだった。それが世界の安全保障環境の改善に向けて日米双方が努力していこうということになった。」との発言も、自衛隊の海外派兵が日本防衛のためではないことを示しています(05.10.29共同記者会見)。

1 北朝鮮・韓国・米軍の軍事力を比較(防衛白書(2002年版)45頁、重村智計(としみつ)「北朝鮮データブック」講談社現代新書173頁)すると、数字的には、韓国よりも大きいが、近代戦を継続する能力はないと評価されています。
@その装備の多くは旧式(白書50頁)。飛行機も大部分は中国やソ連の旧式機(Mig−29、Su―25といった第4世代機も少数保有。99年カザフスタンから調達したMig−21は1950年代の旧式)(白書 51頁)
A 決定的なのは、戦闘継続に不可欠な石油を自国で生産できず、石油輸入は100万トン程度で(中国からの重質油、軍事にまわせるのは30万トン程度)、スーパータンカー3隻分程度しかないことです。これでは、戦闘機の訓練すらままならない状況なのです。
B また、食料不足等で“脱北者”が続出し、餓死者が多数でる状況にあります。食料需要量501万トン、供給量354万トン、不足量147万トン(02、10 FAO国連食料農業機関)
C 国家予算約1兆7000億円。このうち軍事予算は14、4%(韓国国防部の資料では30%以上)(白書50頁)。ちなみに、京都府の2005年度当初予算は、(一般会計8163億3800万円+特別会計2486億8659万円)=1兆650億2459万円です。
こんな北朝鮮が日本を“攻める”能力がないことは明らかです。北朝鮮との「戦争」はアメリカが先制攻撃を開始し、その反撃がなされるというシナリオしか考えられません。そうした事態をなんとしても回避するために「六ケ国協議」の枠組みは重要です。

◆ 国際貢献◆
日本が「日本であるがゆえに」なすべきこと、あるいはできることは、軍事力でなく日本の高い技術力・経済力を生かした平和的な協力、憲法前文と9条を生かす道こそ、日本が国際社会から尊敬され、アジアと共生し、日本自身の平和と安全を保障する道です。
@、第1は日本の歴史的負債(戦争責任)の清算。とりわけ、第2次大戦後の「冷戦構造」の最後の残存物であり、日本の植民地支配が大きな責任を負っている朝鮮半島分断問題の平和的解決、日朝国交回復、非核地帯実現は東北アジアでの紛争の要因をなくすうえで決定的に重要です。
A、第2に、カナダが対人地雷全面禁止条約の実現に大きな役割を果したように、日本の独自の経験・技術力と経済力を生かした国際協力が重要です。
@ 広島・長崎を経験した日本は、核兵器の廃絶のために世界の先頭に立つべきです。
A 広島・長崎の原爆治療の経験を生かし、劣化ウラン弾(DU)の被害に苦しむイラクの子供たちへの支援、日本の優秀な医薬品・医療機器・医療技術の提供、病院の再建、医師とりわけ女性医師の養成等が求められています。
B 軍縮への貢献 
世界の軍事費(「ストックホルム国際平和研究所」年鑑03年版)は7840億ドル(約84兆円)、そのうち、アメリカが3357億ドル(約35兆円)世界の43%、日本は467億ドル(約5兆円)第2位です。殺人と軍需産業のために毎年浪費される膨大な軍事費を戦争被害やその根本原因の除去に向けるべきです。例えば、世界の飢餓に苦しむ人を救う1年分食料費980億ドル(10兆4860億円 12.48%)、世界のすべての地雷(1億1千万個)の撤去に必要な金額は330億ドル、地雷被害者約25万人に義足などを送るのに約3億ドル、世界の飢餓に苦しむ人を救う1年分食料費980億ドル(軍事費の12.48%)、安全な飲み水と下水設備には90億ドル等々です。小型武器による死者も毎年50万人にものぼり、その9割は非戦闘員で8割は女性と子供である。「究極の軍縮」である憲法9条、武器輸出三原則をもつ日本こそ、軍縮の先頭に立つ資格があります。
C、人類生存の前提である地球環境の維持、温暖化防止、公害防止技術の開発途上国への技術移転
D、災害予防策、津波の「早期警報システム」等、地震国日本の経験と蓄積を積極的に世界へ貢献
B、平和憲法9条を生かし広げることこそ、最大の「国際貢献」です。
憲法9条被曝経験、非核三原則、武器輸出三原則のもつ高い道義的な力を生かした外交が基本です。

◆今ある自衛隊の現実を認めて「歯止め」をという民主党の議論の危険性◆
 民主党は、現に自衛隊が存在するのだから、むしろ自衛隊の存在を憲法上認めて、国連決議に基づく「制約された自衛権」という「歯止め」をかけたほうがよいという主張を展開しています。しかし、この議論には非常に危険なごまかしがあります。
 9条2項は自衛隊という「銃」のいわば「安全装置」です。これまでは「安全装置」があるために発射できなかったのです。この安全装置をはずしてしまったら、引き金をひくか否かは政治判断だけに委ねられることになります。つまり、自衛隊は自由に海外で武力行使ができるようになるのです。
 民主党のいう「制約された自衛権」というのは、要するに国連憲章を守るという、国連加盟国である以上当然のことを言っているに過ぎません。しかし、日本は憲法9条を有する国であり、1952年に国連に加盟申請したときに軍事的協力はしないことを明確にしたうえで加盟を承認されているのです。日本は上記のように憲法9条を生かした国際貢献をこそすべきなのです。なお、イラク特措法は一連の国連決議を列挙して自衛隊派兵を合理化している事実を忘れてはなりません。
 しかも、前原代表の一連の発言は、国連憲章等の国際法すら無視する危険なものが続いています。
【前原発言のごまかしと危険性】:先制攻撃を認める
*「日本も矛(=敵基地攻撃能力)の能力を持たなくていいのか」『ミサイル攻撃をやられそうになったとき、相手の基地をたたかくことは憲法上認められている』(03年3月27日衆院安保委員会)
ブースト段階での攻撃
*「制約された自衛権」のインチキ:アメリカが無茶な暴走をしないかぎり、国際法的根拠なくとも、アメリカのやることに納得がいく場合は、同盟国としてアメリカの立場に立たざるを得ないことも多くなるでしょう」(「フォーサイト」)  
* 憲法98条2項の「条約や確立された国際法規の“遵守”」を→単なる“尊重”に格下げすることを主張(「諸君」03年9月号)
以上のとおり、現に自衛隊があるのだから、その存在を明記したらという議論は、仮に「善意」であっても、憲法9条とりわけ2項が果たしている現実的役割を無視した、極めて危険な議論であることを明確にすることが重要です。

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